意外と知らない住宅の購入・建築費用の相場。家を建てるのにいくらかかるのか?

住宅は、人生で最も大きい買い物のひとつです。1000万円を超える多額の費用をかけて購入・建築することが多いため、物件選びやデザインを十分に検討する必要があります。また、一戸建てにすべきかマンションにすべきか、予算はどの程度にするかといった判断で悩む方も多いでしょう。ここでは、住宅の種類ごとの価格相場や、購入の基本的な流れについて解説します。

【目次】
  1. 注文住宅と分譲住宅とマンションの価格と特徴
  2. 住宅の建築費にも相場がある
  3. 住宅購入・建築の基本的な流れ
  4. 予算の決め方と資金計画
  5. 今回のまとめ

注文住宅と分譲住宅とマンションの価格と特徴

住宅を購入する時の選択肢には、大きく分けて「注文住宅」「分譲住宅」「分譲マンション」の3種類があります。価格も特徴も大きく異なるため、それぞれの特徴を正しく理解して、予算や生活スタイルに合ったものを選ぶことが大切です。

注文住宅

注文を受けてから家の企画や建築を始める、オーダーメイドの住宅のことです。注文住宅は、大きく分けると、使用する木材から間取り、外観、断熱材まで一つひとつを細かく決めることができる「フルオーダー」と、ある程度決まった枠組みの中で選んでいく「セミオーダー」があります。
どちらの方法もデザインの自由度が高く、家族の希望を最大限に反映させ、世界にひとつしかない家を作ることができます。また、家づくりの企画から建築までの様子を自分の目で確認できることも大きなメリットです。建売物件は、建築の過程を知ることができないため、耐震強度や工事の品質など、目に見えない部分がどのように作られているのか不安になる方も多いと思いますが、注文住宅であればハウスメーカーと一緒に作り上げていくため、途中の過程を確認しながら建築を進めることができます。今後何十年もかけて家族の幸せを育む住まいですから、家が完成するまでの流れも楽しみながら建てることができるのは嬉しいですね。
一方、デメリットとしては、すべてをイチから決めていかなければならないため、入居までの時間が長くなりやすいことです。また、土地の購入日まで含めた合計費用は、全国平均で4000万円程度と言われており、建築の価格もやや高くなりやすい傾向にあります。とはいえ、建築費はデザインによって大きく異なるため、ハウスメーカーと話し合いながら進めていくことで価格も合う程度抑えることができます。

分譲住宅

住宅地を区分けして家を建て、土地と家をセットで販売するタイプの住宅です。完成品を販売している場合もあれば、着工前もしくは建設途中の段階で売り出している場合もあります。ハウスメーカーが同じような仕様の家を何軒もまとめて建てるため、建築コストを削減することができ、価格が安くなることがメリットです。また入居までの期間も短く、完成品の場合は契約から数週間〜1ヶ月程度で入居できます。
一方、設計の自由度が低いことから、家族の希望をデザインに反映させにくいことがデメリットです。さらに、似通ったデザインの住宅が立ち並ぶことになるため、個性を重視する方にはあまり向いていないかもしれません。価格の相場は、全国平均で3400万円程度です。地域によっては3000万円以下で購入できるため、注文住宅に比べるとややお手頃です。

分譲マンション

マンションを1住戸(1部屋)ごとに区分けし、販売しているタイプの住宅です。多くの居住者が同じ建物の中で生活することになりますが、賃貸マンションとは異なり、部屋は自分の持ち物(資産)になります。分譲住宅と同様に、着工前から売り出されているのが一般的です。
物件にもよりますが、宅配ボックスやセキュリティシステム、コンシェルジュサービスなど、多くの設備やサービスを利用できることが魅力です。ただし、管理規約やマナーを守らなければならず、居住者同士のトラブルが発生することもあるため、特に地方では苦手とする方が多いことが特徴です。
価格の相場は地域差が大きく、首都圏では5000万円を超える一方、地方では3000〜4000万円程度にとどまっています。やはり、人気のあるエリアのマンションは特に高額です。とはいえ、大都市の一等地に一戸建てを建てるのは、土地の確保からして簡単ではありませんので、便利な大都市のど真ん中に家を持つことができるのも、分譲マンションのメリットと言えるでしょう。

住宅の建築費にも相場がある

住宅の3つのタイプの中で唯一、建築費を自分でコントロールできるのが注文住宅です。そのため、まずは「何にいくら使うのか」を十分に検討しましょう。
地域にもよりますが、建築費の相場は概ね3000万円台前半であり、注文住宅にかかる費用は、8割方建築費で占められていることがわかります。費用を抑えるためのポイントは、デザインや設備にメリハリをつけることです。特にこだわりのない部分には既製品や安価なものを使い、人目につきやすい所やこだわりたい所にはハイグレードな製品を使えば、理想を反映しつつも余分な出費をなくすことができます。形状をあまり複雑にしないこと、壁を多くしすぎないこと、水回りを一定の範囲に集中させることなども重要です。 注文住宅でも、徹底的に節約すれば、十分な機能を保ったまま建築費を1000万円台にまで抑えることもできます。逆に、4000万円以上かけられるなら、細かい部分まで要望を盛り込み、よりグレードの高い家を作ることが可能です。

住宅購入・建築の基本的な流れ

住宅購入・建築を成功させるためには、全体の流れを把握しておき、ポイントを押さえて行動することが大切です。この項目では、入居までの基本的な流れを見ていきましょう。

情報収集

まずは「こんな家にしたい」という家族のイメージを膨らませつつ、物件や土地の情報を集めます。予算や住みたいエリア、基本的なデザインや必要な設備といった、最低限譲れないポイントを設定した上で探すと良いでしょう。

相談・見学

注文住宅の方向性や、購入したい分譲住宅の候補が決まったら、不動産会社やハウスメーカーに問い合わせて相談の場を設けます。担当者から詳しい話を聞き、さらに実際の物件やモデルハウスを見学すれば、より具体的なイメージが固まってくるはずです。

決定・購入申込み

土地・物件・施工会社などは、複数の候補をピックアップして、比較検討することが重要です。最終的に「これだ!」というものが決定したら、購入・施工の申し込みを行いましょう。

住宅ローン審査

住宅はとても高価な商品なので、ほとんどの方は住宅ローンを利用することになると思います。その際に行われるのが、住宅ローン審査です。金融機関による審査を通過しなければ正式な契約に進めないため、無理のない資金計画を立てましょう。

最終確認・契約

住宅ローン審査を通過したら、ハウスメーカーの担当者から最終的な説明を受け、いよいよ正式に契約します。契約書は、すみずみまで目を通し、不明点や疑問点があれば、契約前にしっかり確認しておきましょう。

建築・内覧

住宅の完成後、引渡前に行われるのが「内覧」です。でき上がった住宅の中をハウスメーカーの担当者と一緒に見て回り、契約内容と異なる点や、破損・汚れなどの問題が発生していないかチェックします。

残金決済・各種手続き

内覧で問題がなければ、手付金を引いた購入残金をすべて支払い、所有権の移転などの手続きを進めます。これで、晴れて入居の準備は完了です。

入居

引き渡しの際には、あらためて住宅の内部をチェックし、ようやく入居です。スムーズに引っ越しを済ませて、新たな生活をスタートさせましょう。

予算の決め方と資金計画

住宅を購入する際、最も悩むことになるのが予算です。ローンの返済で生活が苦しくなってしまうのは望ましくないので、無理のない資金計画を立てなければなりません。
最初に意識しておきたいのは、「無理なく用意できるお金を決めてから、建てたい家を考える」ということです。
また、住宅の購入・建築には、付帯工事費、引っ越しの料金、ローンの手数料など、土地代や建築費以外にもさまざまな費用がかかります。こういった細かい費用の割合は意外と大きく、総額の3割ほどにもなります。家自体の価格だけでなく、「全体でいくらかかるのか」を正確に把握すれば、予算に見合った住宅を購入できるでしょう。
さらに、最初に支払うお金である自己資金(頭金)も重要です。ローンの返済を楽にしたいからといって、預金をすべて自己資金に回してしまうと、その後の生活に大きな支障をきたしますので、少なくとも数ヶ月分の生活費は残しておくことが望ましいでしょう。
その上で、「借りられる額」ではなく「返済できる額」に注目して借入額を決めれば、無理のない資金計画が立てられます。持ち家には固定資産税や都市計画税、マンションなら管理費や修繕積立金が毎月かかることも忘れてはいけません。
こういった要素をすべて考慮してシミュレーションを行い、最終的な決定を下しましょう。

今回のまとめ

購入した住宅に満足できるかどうかは、事前の計画にかかっています。どのような方にも予算の限度はありますから、その範囲内で可能な限りの理想を詰め込まなければなりません。購入の流れを理解した上で、しっかりと資金計画を立て、最適な物件を選ぶことが大切です。じっくりと計画を練って、素敵なマイホームを手に入れてくださいね。