建築家から見た、住まいづくりのポイント②

|敷地と駐車場とプランニングと。

住まいは、そこで暮らすご家族の構成を考えながら、ライフスタイルや一人ひとりの思いに沿って形にすることが大切です。しかし、実際はこれらの他にも様々な要素が関わってきます。例えば、どんな場所に建てるのか、という敷地の問題。形状だけではなく、お隣との距離、その場所に関わる様々な規制なども考慮する必要があります。

今回から、建築家として数多くの住まいづくりに携わってきた経験を活かし、あらかじめ検討しておくべきポイントを整理してお話したいと思います。第1回目は敷地、駐車場、そして住まいのプランニングについてです。

●敷地について
敷地に同じものは二つとしてありません。車であれば、どこのディーラーで購入しても同じクオリティのものを手に入れることが可能です。しかし、住まいは唯一の物。敷地の特徴を読み取り、その場所にふさわしいプランを形にしていくことが大切です。

●法規制・事前検討項目について
住まいをつくるうえでは、守るべき法規制が数多くあります。それをクリアしながら、どんな設計が可能なのかを考えるのが私たち建築家です。法規制が関わってくる例としては───
・隣地の環境(住宅なのかマンションなのか)
・隣地建物の開口部・予測できる家族構成・隣地からの生活音
・室外機の位置・給湯機の位置・換気扇の位置

また、これ以外にもあらかじめ検討しておくべきポイントがあります。例えば───
・現在空き地ならば、将来どれくらいの規模の建物が建つと考えられるか。
・敷地周辺に電柱や電灯はあるのか。
・平日の朝昼夜、休日の朝昼夜にはどのように環境が変わるのか。
・環境は四季によってどのように変化するのか。
などが代表的なものです。

●駐車場について
駐車場は、地域によって2台、さらには3台分のスペースを希望されるケースもあります。
どこに駐車場を設けるかはその後のプランづくりに大きく関係してくるため、慎重に検討する必要があります。また、敷地の2方向、さらに3方向が道路となれば、より慎重に進めることが求められます。
では、駐車場をつくるために検討するべきポイントにはどんなものがあるのでしょう。例えば──
・前面道路の幅員はどれだけか。歩道はあるのか。一方通行なのか。
・交通量はどれくらいか。また、通学路になっているか。 
・駐車するときは、一回で入れるのか、切り返しが必要なのか。
などが代表的なものです。

●プランニングについて
いよいよ設計段階。では、私たちがどのようにプランを考えていくのか。そのポイントをご紹介します。
最初は、その敷地の一番良い場所(気持ち良い場所)はどこかを確かめます。この見極めが、実は重要なポイント。決まれば、そこにリビング、またはダイニングを設け、周りに必要な機能を適切なサイズで配置していきます。こうすることで、それぞれの敷地にふさわしいプランとなっていきます。

では、良い場所の条件とは何でしょうか。日本において、それは日当たりの良い場所となるケースが大半。日ざしが良く入る、南入り(南側道路)が一番、というのが昔からの考えです。
計画敷地が100坪もあれば日当たりに関して何の問題もありませんが、現代の住宅事情から考えるとそれは希少なケース。50坪あれば最高、なんとか40坪、都心部であれば30坪───そうなると、日当たりが難問となって目の前に現れます。

仮に、何とか南からの採光を確保でき、大きな窓を配置したとします。これで良かったと安心してはいけません。その窓の先に見えるものは───隣地の勝手口が目に入ったり、ゴミ箱が置いてあったり、換気扇のフードがあったりしたら台なしです。

日当たりも、窓から見える情景も、お住まいの方にとっては快適さを左右する大切な要素。私たち建築家がプランニングする際は、あらゆる方向から敷地を見つめ、プランづくりを行っているのです。
「住まいづくりって、いろいろ難しそう」と思うのは当然。大半の方が住まいづくりの初心者ですから、わからなければ私たちプロにご相談ください。いっしょにお話をしながら、最適なプランをつくっていきます。


大杉 将

街にも旅先にも、目がとまり、心ひかれる建物が必ずあります。そんなときめきを、住んでくださる方々にも感じてほしい。そう考えながら、間取りのプランニングはもちろん、仕様や設備のセレクトにまで建築士としてのこだわりを反映しています。

○プロフィール

2012年アーレックス一級建築士事務所に入社。美術館や日本の歴史的建造物を見てまわり、現代住宅にその想いを取り入れる。既成概念にとらわれない空間づくりで、個性的な住まいを提案し続ける。