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2025.08.22

一軒家の収納の目安は?
効率的な収納法と間取りを解説。

収納スペースは、暮らしの快適さを左右する重要な要素の一つ。適切な収納は片付けや掃除がしやすくなるだけでなく、室内を広々と快適にしてくれます。設置する収納には適材適所があるため、部屋ごとに最適な場所・容量を考慮して場所を決めるのが良いでしょう。

そこで本記事では、一軒家における収納の目安や効率的な収納スペースの使い方、間取り別の収納方法を紹介。必要な収納スペースが分からないという方は、内見に行く前にぜひ参考にしてください。

一軒家に必要な収納の目安は「収納率」を参考にしよう

「収納率」とは、建物の床面積に対する収納部分が占める割合のこと。一軒家であれば12~15%ほどが目安と言われており、延床面積が100平方メートルの住宅を建てる場合だと、収納スペースの目安は12~15平方メートルとなります。

ライフプランが定まらない内は、この収納率を目安に収納計画を進めるのがおすすめ。収納率はあくまでも目安なので、将来的に子どもが産まれたり親と同居する予定であれば、目安より少しゆとりを持たせておくと良いでしょう。

収納スペースを効率的に使うための3つのポイント

続いては、収納スペースを効率的に使うための3つのポイントを紹介します。確保した収納スペースを上手く使いこなして、収納上手を目指しましょう。

1.集中型ではなく分散型の収納を意識する

収納計画は、大きく分けて「集中型」と「分散型」の2タイプに分かれます。まず集中型の収納は、物置や納戸など1ヶ所にまとまったものを収納するタイプで、収納力が大きく家の中の様々なものが収納できます。

しかし集中型は収納率を上げられる反面、「収納する場所」と「生活する場所」を切り分け、1ヶ所にありとあらゆるものを収納するので、生活動線を考慮したつくりにはなっていません。1階のリビング・ダイニングで使うものも、庭などで使用するアウトドア用品も全て2階の物置に収納している場合、取りに行くのも片付けるのも億劫になり、次第に使わなくなって家の中が散らかりやすくなる場合があります。

対して分散型は「収納する場所」と「生活する場所」を一緒にして、部屋ごとに収納スペースを確保するタイプです。リビングで使うものはリビングに、玄関で使用するものは玄関にと、各間取りごとに収納スペースを分散させているため、片付けの手間が減り、自然とものが片付くようになります。収納率が高いからといって収納がスムーズにできるわけではないため、集中型よりも分散型の収納を意識して収納スペースを検討すると良いでしょう。

2.利用頻度や使いやすさを考慮して収納していく

各部屋ごとに設けた収納は、ただその場所で使用するものをしまえば良いというわけではありません。利用頻度や使いやすさを意識して収納方法を工夫すると、無理なく部屋が片付くようになります。

「使用頻度の高いものは取り出しやすい位置に、頻繁に使わないものは開ける機会の少ない場所に収納する」「ロフト・屋根裏など開口が狭くなりやすい場所や、棚の上部には重いものは収納しない」「開閉が面倒な床下収納には、日常的に使用するものではなく防災備蓄など出し入れが少ないものを収納する」など、ものによって収納場所を選ぶことで、片付けのストレスが少なく済みます。収納場所に適したものを収納しないと、後で取り出しに苦労することも覚えておきましょう。

3.デッドスペースも有効活用する

デッドスペースとは、家の中で利用できていない空間のことを指し、工夫次第で立派な収納場所となります。デッドスペースになりがちな場所および活用法は以下の通りです。

●冷蔵庫の上:収納棚をつくる(扉付きのものがおすすめ)
●家具と壁の隙間:市販の隙間収納グッズを活用する
●壁のスイッチ周辺:スイッチの部分を避けて家具を設置する
●モデムやルーター周り:キャスター付きなど可動式の家具を利用する
●洗濯機の上:吊戸棚を設置する など

デッドスペースを活用できる市販品も多数販売されているため、デッドスペースを見つけたらその場所をどのように使いたいかを考えてみてください。その上で、目的に応じた解決策を講じてみましょう。

【間取り別】一軒家の人気の収納法

続いてはリビングやキッチンなど、部屋別に人気の収納を紹介します。写真付きで解説していますので、ベストな収納を見つけるための参考にしてください。

リビング

家族が集まるリビングは、いつの間にか床一面にものが散らかってしまいやすい場所。リビングに収納スペースを整えておけば、常に綺麗で片付いた状態を保ちやすくなり、急な来客があっても気持ちよくリビングに案内できます。

リビングの収納には様々な種類がありますが、今回はデッドスペースを活用できる壁面収納とスキップフロア(小上がり)収納を紹介します。

天井まで使える壁面収納で大きなスペースを確保する

天井まで使える壁面収納を活用することで、たっぷりの収納スペースを確保できます。壁面収納はテレビボードと合わせてつくられることもあり、フローリングとの相性や間取りに合ったサイズへ整えることも可能です。新築時に造作されることが多いものの、後から既製品を設置することもできるため比較的自由にアレンジすることができます。

スキップフロア収納で大容量の収納をつくり出す

スキップフロアとは、1つの階層に複数の高さのフロアが設けられた間取りのこと。その段差部分に引き出し式の収納スペースを設けることで、隠す収納が可能となります。和室やリビング・ダイニングなどに用いられるスキップフロアですが、各フロアごとに使用するものを入れておけば、取り出しも片付けも楽々。使いやすさと収納量、部屋の広さを確保できる収納法です。

キッチン

調理器具や家電製品、食料品のストックやゴミ箱など、生活感を感じさせるものが多いキッチン。細かなものも多いため、収納を充実させることで快適に料理を楽しめます。

特にキッチンと言えばパントリーの活用が人気かつおすすめ。壁面に備え付けるタイプや、ウォークイン型・ウォークスルー型もあり、カップボード(食器棚)と上手く組み合わせれば、十分な収納を確保できるでしょう。

ウォークイン型パントリーでゆとりある収納を実現

ウォークイン型パントリーとは、小部屋になっているパントリーのこと。壁面に取り付けただけのパントリーに比べると、収納スペースを広く確保できるため、普段は使用しない調理道具や食品のストックなどを十分に収納できます。棚を設置すれば在庫の量や置いてある場所も把握しやすくなり、取り出す時の負担も少なくできるでしょう。

基本的にキッチンに隣接して設置しますが、出入り口を2つにしてキッチンと玄関のどちらからでも通り抜けができるウォークスルー型にすれば、買い物帰りに購入した食材をすぐに収納できるため便利です。

カップボードでキッチンをおしゃれにデザイン

カップボードは、食器や調理器具の収納力を高めてくれるだけでなく、家電製品を収納できたり、作業カウンターが備え付けたタイプがあるなど、機能性やデザインの幅が広いのが特徴。生活感を隠しながらナチュラル感のあるキッチンをデザインすることもできます。

料理中でもものが取り出しやすく、作業効率を上げることも可能。パントリーと組み合わせれば、より高い収納力が期待できます。

クローゼット

寝室や玄関に隣接させて計画されることが多いクローゼット。家族の衣類がまとめて管理しやすい「ファミリークローゼット」や、人が中に入って歩けるほどの広さを持つ「ウォークインクローゼット」、玄関の近くに設けられた、靴を履いたまま出入りできる「シューズインクローゼット」などがあります。配置場所を工夫することで、家事の負担を軽減できる便利な収納スペースです。

生活動線を意識したファミリークローゼット

「リビングや洗面室、玄関から直接出入りできる場所に設置する」「洗濯物を干すスペースの近くに設置する」など、生活動線を意識した場所にクローゼットを設置することで、より暮らしやすい住まいを実現できます。

特に家族全員が使用するであろうファミリークローゼットは、生活動線が短くなる場所に設置するのが一般的。外出する時・着替える時・入浴する時など、家族一人ひとりが衣類を使う場面で動きやすい動線を考慮して配置場所を決めましょう。

大容量のウォークインクローゼット

ウォークインクローゼットとは、人が中に入って歩けるほどの広さを持つクローゼットのこと。多くの衣服を吊るしたまま収納できるため、季節に応じた衣替えが楽になります。

またハンガーパイプの上部に枕棚を設けて季節用品を収納しておけば、吊るした服の下部にも大きな空間が生まれスペースをフレキシブルに活用できます。大容量であるほど服飾品以外のものも数多く収納できるようになり、より使い勝手が良くなるでしょう。

屋外にもアクセスしやすいシューズインクローゼット

シューズボックス(下駄箱)よりも収納量が大きいシューズインクローゼット。靴だけでなく傘やアウター、自転車、ベビーカー、アウトドア用品など、屋外へ持ち出す頻度が高いものを隠しながら収納することができます。土足で出入りできるのも嬉しいポイントです。

また屋外へすぐにアクセスできるシューズインクローゼットは、防災グッズ置き場として活用するのもおすすめ。玄関から避難する際に手に取りやすく、直接日光が当たりにくい場所なので、備蓄水や非常用食品の保管にも適しています。地震などの災害時はものが崩れて出入り口が塞がれてしまうことも想定できるため、二方向から出入りできるウォークスルータイプにしてくとさらに安心でしょう。

間取りや目的に合わせて収納を選べば有効活用できる

収納スペースを適切な場所に工夫を凝らして設置すれば、収納力がアップするだけでなく、片付けや掃除がしやすい「頑張らなくても、いつも整っている家」が実現できます。間取りや設置の目的に合わせて選ぶことで、デットスペースのような空間を有効活用することも可能です。

収納率の目安は延べ床面積の12~15%と言われていますが、ライフスタイルや家族構成によって収納スペースの必要性は異なるため、家族の使い勝手も考慮しながら理想の住まいをつくり上げていきましょう。

愛知・名古屋で一軒家を提供するアーレックスでは、収納に関するお悩みも含め、お客様のご要望に合った住まいのご相談を受け付けています。愛知県の名古屋市や豊田市などを中心に県内各地で見学会を随時開催していますので、お気軽にお問い合わせください。