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2025.11.11

家事動線の良い間取りとは?
つくり方のポイントや実例を紹介。

料理・洗濯・掃除など、生活するうえで必要不可欠な家事。近年では共働き世帯の増加に伴い、多くの家庭が日々の家事に追われ、慌ただしい毎日を送っています。家族がストレスを感じることなく快適に過ごすためにも、家事はできるだけ効率的に進めたいですよね。

そこで本記事では、「家事動線の良い間取り」をピックアップ。施工前にこだわっておきたいポイントや具体的な実例を写真付きで紹介します。ライフスタイル別の最適な家事動線についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。

家事動線の良い間取りとは?

家事動線の良い間取りとは、料理や洗濯、掃除といった家事を効率良くスムーズに行える間取りのこと。最短最小の動きで誰でも家事がしやすくなり、無駄な動きも少なくなることから、家事が格段に楽になります。

家事動線の良い間取りをつくるポイントは「水廻りを集約する」こと。キッチン、洗面室、浴室への動線を意識し、回遊性をもたせることで家事の効率が上がります。またパントリーやクローゼットなどの豊富な収納を適所に設置するのもポイント。動線を意識して収納スペースを設けることで、物の出し入れや整理整頓がしやすくなり、片付けや掃除の手間も軽減できるでしょう。

家事動線を良くすることで家事の効率化や負担軽減を実現できるだけでなく、どこに何があるのか把握しやすくなるため、暮らしやすさが向上し、スムーズな家事を実現できます。

【ライフスタイル別】最適な家事動線

家事動線の最適解は家族構成やライフスタイルによって異なります。続いては「共働き夫婦」「子育て世帯向け」の最適な家事動線について見ていきましょう。

共働き夫婦向けの家事動線の考え方

共働き夫婦は仕事の忙しさから、家事に割く時間が限られてしまいます。そのため、時短に繋がる家事動線の良い間取りを考えることが重要。特にチェックしておきたいのが「水廻り」と「収納スペース」です。

まず洗濯は、洗濯機置き場・物干し場・収納場所までの距離が近いほどスムーズに作業できるため、全て同フロアに集約させたランドリールームを設置するのがおすすめ。またキッチン廻りは“ワークトライアングル”と呼ばれるシンク・コンロ・冷蔵庫を繋ぐ三角形の動線を意識することで、料理の効率がアップします。三角形の三辺が大きすぎず小さすぎない正三角形(理想は三辺の合計が4m前後)がベストです。

またシューズクロークやパントリー、クローゼットなど、各間取りごとに適切な収納を豊富に設ければ、収納が楽になり物を探す手間も省けます。間取りや収納スペースの必要な広さは人数によって異なるため、将来の家族構成も踏まえながら最適なスペースを準備してください。

子育て世帯向けの家事動線の考え方

子育て世帯は、日々の家事に加えて育児も同時進行で行わなければなりません。特に忙しい朝と夕方は時間との戦いです。だからこそ、家事動線を良くして日々の負担を軽減することが非常に重要となってきます。

家事動線を計画する際、自分たちのライフスタイルを意識することが大切です。例えば朝の場合、「洗濯を回しながら子どもの支度の準備をし、朝ごはん・お弁当を作って子どもに食べさせ、洗い終わった洗濯を干し、自分が出かける準備もする」など、日常生活をイメージしながら自分たちに合わせた動線を計画しましょう。

また子育て世帯には、玄関から浴室、洗面台が一直線の間取りがおすすめ。子どもが外から帰ってきた際に水廻りに行きやすく、結果としてリビングなどが汚れにくくなり掃除の手間が省けます。さらにキッチンからの見通しが良い間取りであれば、子どもの様子を確認しやすく、万が一何かあったとしてもすぐに駆け付けられます。

共働き夫婦向けで紹介した「水廻り」と「収納スペース」にも考慮しつつ、子育て世帯向けの間取りを取り入れると、毎日の家事・育児の負担を軽減できる家事動線となるでしょう。

家事動線の良い間取りに仕上げる3つのポイント

次に家事動線の良い間取りとなる3つのポイントを紹介します。特にキッチン周辺を快適な動線にすれば、家事の大幅な効率化を実現できるでしょう。

1.水廻りを集約する

家事動線を良くする1つ目のポイントは、キッチン・洗面所・浴室をできるだけ近い位置に集約することです。家事の中で水を使う作業は多く、水廻りが集約しているほど無駄な移動時間を省けます。

特に子育て世帯は、キッチンと洗面所や浴室が近いと「子どもが食べこぼした服を洗う」「片付けをしながら、子どものお風呂上がりに着替えなどの手伝いに行く」といった動作を効率的に行えるためおすすめです。また洗濯に関する作業をまとめて行える「ランドリールーム」を設置すれば、洗濯から収納までを1ヶ所で済ませられるため家事がよりスムーズになります。

2.パントリーを設置する

パントリーとは食品や飲料をストックしたり、食器・道具類などを収納できるスペースのこと。キッチン付近にパントリーを設置することで必要なものを取り出しやすくなり、収納スペースが増えて使い勝手も良くなります。玄関とキッチンの間、もしくは直線上にパントリーが設置されていると、帰宅後に買い物をした荷物をそのまま収納できるため便利です。

3.家事室(ユーティリティスペース)を設置する

家事室とは、洗濯物を畳む・アイロンがけをする・家計簿をつけるといった家事作業を効率的に行う場所を指し、「ユーティリティスペース」とも呼ばれます。家事にまつわる作業が集約しているため、集中して家事に取り組めるようになり、作業効率の向上や時短に繋がるでしょう。

特にキッチン付近に家事室を設ければ買い物後の食材の運び入れが楽になり、料理の合間に洗濯物を畳んだり、アイロンがけをするといったスムーズな作業も実現可能です。家事室のレイアウトはライフスタイルや部屋の広さによって異なり、パントリーの機能を持たせたり、ウォークインクローゼットを併用することもできます。

【写真付きで解説】家事動線の良い間取りの実例3選

1.キッチンを中心とした家事動線

女性設計士ならではの目線で設計したライフデザインハウス。実際の生活に寄り添った細かな気配りと、トータルコーディネートしたインテリアが魅力です。

キッチンを中心に洗面室や浴室、トイレを回遊できるよう水廻りが集約されており、洗面室を洗濯・室内干し・収納まで1ヶ所で完結できるランドリールームとして使用することもできます。またキッチン横に大容量のパントリーを設置しているため、家事動線を損なわずに調理に必要なものを簡単に取り出すことも可能。玄関からシューズクローク→キッチン→パントリーまで繋がっているので、買い物帰りに食材を運ぶ&収納するのも楽になっています。

さらに子どもの遊び場や客間にもなる和室は1段上げることで、キッチンからも視線が届きやすく、料理をしながら子どもたちの様子を見守ることができるよう設計しました。パントリーだけでなく、小屋裏収納やシューズクローク、ウォークインクローゼットなど、充実した収納スペースも備えています。無駄な動きを減らして効率良く家事が行える住まう人に優しい住まいです。

2.干す→畳む→収納がスムーズな間取り

水廻りを充実させた共働き・子育て世代におすすめの間取り。洗面室の両隣にランドリールームとファミリークローゼットを設けているため、洗濯から収納までをスムーズに行えます。

また広々としたランドリールームには物干しスペースとカウンターが設置されており、洗濯後の一時置きや室内干しなど多用途に活用することが可能。洗面室を出てすぐの場所にキッチンがあるため、料理と洗濯を同時に進めやすいのも嬉しいポイントです。

3.玄関とキッチンが繋がる帰宅動線

玄関とキッチンを繋げ、買い物からの帰宅動線が楽になる住まいに仕上げました。玄関とキッチン、大容量パントリーが直線上に設置されているため、買い物帰りの動線がスムーズになっています。また洗面室と浴室をキッチンの近くに設置し、家事動線も短縮。LDKと続き間の和室も計画した暮らしに嬉しい間取りです。

家事動線の良い家で快適な毎日を過ごそう!

家事動線の良い間取りを選ぶことで、時短や負担軽減に繋がり、暮らしの質が向上します。家事動線の最適解は家族構成やライフスタイルによって異なるため、家族でよく話し合ってベストな間取りを見つけてください。

アーレックスではお客様の要望に合わせて、目的や用途に沿った家事動線の良い間取りをご案内できます。名古屋市や豊田市など愛知県内各地で見学会を開催していますので、一戸建ての購入を検討されている方はぜひ一度お問い合わせください。実際に内見をすることで、より具体的なイメージが膨らむはずです。