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2025.12.10

ヌックを設置するメリットは?
取り入れる際の注意点や実例も紹介。

家族団らんも大切ですが、時には一人でゆっくり寛げる時間もほしい。そんな希望を叶えてくれる場所が「ヌック」です。ヌックはリビングやダイニングの一角に設ける小さな空間で、本を読んだり、お昼寝をしたり、ティータイムを楽しむなど、リラックスできるスペースとして親しまれています。

近年おうち時間を充実させたいという方も多く、ヌックのニーズは高まってきています。そこで今回は、ヌックの基礎知識やメリット、取り入れる際の注意点やポイントまで詳しく解説。居心地の良いヌックの実例も画像付きで紹介していきますので、ぜひ心地良い空間づくりの参考にしてください。

ヌックとは?

「ヌック」とは、家の中にある空間の隅や突き出しといったスペースを利用してつくる小さな寛ぎスペースのこと。スコットランド語の建築様式「ヌーク(neuk)」が語源で、「居心地の良いこぢんまりとした空間」を意味します。近年ではリビングやダイニングなどの主要な場所に設置されるケースが多いようです。

ヌックは壁やドアで仕切られた完全に独立した個室ではなく、段差や素材の違いなどで緩やかに仕切られているのが特徴。そのため、家族と同じ空間にいながらも程よい「おこもり感」を感じられ、自分だけの居場所や癒しの空間として活用できます。

ヌックを取り入れるメリット

家族が集まるリビングやダイニングにヌックを導入することで、数多くのメリットが得られます。では実際にどのようなメリットがあるのでしょうか?

一人の時間を大切にできる

リビングやダイニングにヌックが設置されていれば、家族と同じ空間にいながらも適度な距離感で自分時間を楽しむことができます。またヌックはこぢんまりとしているため、隠れ家的な雰囲気の中でホッと一息ついたり、仕事や読書など集中したい時にも静かに落ち着ける場所として重宝します。

多目的な使い方ができる

ヌックは、あくまで部屋ではなく「スペース」です。誰か専用のものではないため、目的に応じて家族全員が気軽に使えます。子どもにとっては、さながら秘密基地のように好奇心を掻き立てられる絶好の遊び場となるでしょう。また大人にとっては、本棚を置いて趣味の読書を楽しんだり、ある日はリモートワークの場として使用するなど、集中して何かに取り組める空間となります。使う人や使用方法によって、柔軟に対応してくれるのがヌックなのです。

デッドスペースを有効活用できる

ヌックを設けることで、家の中の使用していない空間(デッドスペース)を有効利用することができます。リビングの窓辺や階段下、廊下の途中など、デッドスペースになりがちな空間にヌックを設置することで、空間利用率が向上し、狭い土地でも無駄のない快適な住環境を実現できます。デッドスペースを「特別な空間」として演出することで、他とは違う個性的な住まいを可能にしてくれます。

ヌックを設置する際の注意点とポイント

ヌックを取り入れる際、最も考えなくてはならないのは「日常的に使える空間」になるかどうかということ。メリットの多いヌックですが、「アクセスしづらい場所にある」「照明やコンセントがなく使いづらい」「空調設備が効きづらく真夏や真冬に利用できない」などの理由から使用頻度が低くなってしまうケースがあります。

また家族構成やライフスタイルの変化、収納スペースの位置によって誰も使わなくなり、ただの物置になってしまうことも…。ヌックを使いたくなる場所にするために、事前に設置する際の重要なポイントもチェックしておきましょう。

快適で過ごしやすい場所に設置する

ヌックは収納や仕切りで囲われていることが多いため空調の風が届きにくくなり、真夏は暑く真冬は寒いと感じることがあります。そのため、特に奥まったスペースなど、空調設備が届きづらい場所への設置はおすすめできません。ヌックを検討する場合は空調設備に配慮して場所を選定する必要があります。それでも難しい場合は、サーキュレーターの併用や部分的な床暖房・パネルヒーターの設置など、補助的な空調手段を検討しましょう。

用途に合った設備を整える

ヌックは事前に過ごし方を想定したうえで、必要な設備を設置することが大切です。例えばテレワークの場として活用したい場合は、デスクや造作カウンター、コンセントは必須。収納スペースも十分に確保しておくと、より使い勝手が良くなります。集中できる空間にするために、カーテンなどを設置して緩やかにゾーニングすることも重要。事前にどのように利用するか具体的にイメージし、目的に合わせてレイアウトを考えてみてください。

照明で落ち着いた雰囲気を演出する

ヌックの照明は周囲の部屋よりも少し暗めにすると、居心地の良い落ち着いた雰囲気を演出できます。光の色は暖かみのある暖色系を採用し、配置する位置は少し低めに設定するのがおすすめ。設置する照明は、床置きの間接照明や小さめのペンダントライトなどが人気です。光の明るさや色味に変化をつけることで、周りの空間と繋がりを持ちながらも、別空間だと認識できるようになります。

設計段階でヌックの利用目的を明確にしておく

「キッズスペースとして計画したが、子どもが成長して使わなくなった」「結局誰も使わず、物置になってしまった」など、家族のライフスタイルによって使用されなくなるケースもあります。ヌックを検討するのであれば、事前にヌックの用途や期待する効果を家族で話し合い、設計段階でヌックの利用目的を明確にしておくことが重要です。自分たちの生活スタイルや用途に合わせて導入を検討しましょう。

ヌックを取り入れた間取りの実例3選

ヌックを取り入れた間取りの実例3選を写真付きでまとめました。使用目的に合わせて、どのような間取りが良いか判断するのに役立ててください。

階段下を活用した隠れ家ヌック

階段下のスペースを有効活用したヌック。ダウンフロアが特徴的で、隣接している小上がりの和室と視線が繋がることから、高さの異なる視線変化を楽しめます。キッチン横に設置しているため、家事をしながらヌックで寛ぐ家族とコミュニケーションを取ることも可能です。

デスクも造作しており、勉強やリモートワーク、読書や家事など様々な用途で使用できます。暖かみのある間接照明を採用し、隠れ家のような「おこもり空間」を演出することで、ふと時間を忘れてしまう隠れ家のようなヌックが完成しました。

LDKと繋がるスキップヌック

壁掛けテレビ対応壁面の裏に、スキップヌック(スキップフロアとヌックを組み合わせたもの)を設置しました。カウンターを造作&コンセントを完備しているので、寝転んだり、あぐらを組んで座ったりするだけでなく、リモートスペースとしても活用することができます。

また窓も設置しているため、日当たりや風通しも問題ありません。家族の気配を感じながら、小上がりの半個室のような空間で落ち着ける&集中できる空間となっています。

窓際&吹き抜けの開放感あふれるヌック

ヌックスペースを小上がりにし、床にカーペットを敷くことで大人の読書スペースから子どもの遊び場まで多様に変容する空間をつくりました。上部には吹き抜けを計画し、さらに窓際に設置することで、部屋の奥まで光が届く工夫をしています。寝ころぶこともできるゆったりとした空間で、のんびりと自分時間を楽しめるでしょう。

また本がたっぷりと入る収納やコンセントも常備しているため、使い勝手も抜群。小上がりの段差に腰かけて家族で談笑することも可能です。温かな光が降りそそぐ、開放的なヌックとなっています。

ヌックを設けて心地よく過ごせる空間をつくり出そう!

ヌックは住まいに心地良さをもたらします。特に家族が自然と集まるリビングやダイニングに設置すれば、家族が程良い距離感で暮らすライフスタイルを実現できるでしょう。目的や生活動線に併せて多様なアレンジもできるため、上手く取り入れて「家族が快適に過ごせるちょっとした居場所」をつくり出してください。

アーレックスでは愛知・名古屋で様々なタイプの一戸建てを提供しており、ヌック付きの物件もご案内可能です。実際にヌックのある家を内見することで、より具体的なイメージが持てるかと思います。名古屋市や豊田市など県内各地で見学会を開催していますので、一戸建ての購入を検討されている方はぜひ一度お問い合わせください。