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2026.04.22

暮らしの「電化」に対応するために。
押さえておきたい住宅用蓄電池の基礎知識。

日本において、政令で定められている再生可能エネルギーの一つでもある太陽光発電。近年、二酸化炭素(温室効果ガス)を出さない発電方法として注目されており、日本の一般家庭でも普及が進んでいます。

太陽光発電は「住宅用蓄電池」と組み合わせて使用することで、様々な相乗効果が期待できます。太陽光発電に蓄電池を追加することで、自宅でも「電気をつくる→貯める→使う」といった“電気の自給自足”が可能となります。

そこで今回は、災害対策にもなると言われている住宅用蓄電池をピックアップ。メリット・デメリットはもちろんのこと、蓄電池システムの種類や補助金の活用方法まで分かりやすく紹介します。

そもそも蓄電池とは?

その名のとおり、電気を蓄える機能を持った装置のこと。二次電池とも呼ばれています。

アルカリ電池やマンガン電池など、電気を使い切ったら寿命を終える電池とは異なり、充電して繰り返し使えるのが住宅用蓄電池の特徴。現在、その中でも導入が増えているのがリチウムイオン電池タイプの住宅用蓄電池です。

蓄電池の主な種類

次に、住宅用蓄電池で使われる電池の種類と負荷タイプ(停電時に使える範囲)について詳しく見ていきましょう。

電池の種類

リチウムイオン電池

電極にアルカリ金属の一種であるリチウムを使用し、リチウムイオンが電解液の中の正極と負極の間を移動することで充電と放電を行う電池。現在の住宅用蓄電池に最も多く見られるタイプです。

鉛蓄電池

希硫酸という電気を通しやすい電解液で満たし、その中に正極と負極を入れることで、希硫酸と鉛が化学反応を起こして充電と放電を行う電池です。

ニッケル水素電池

正極にオキシ水産化ニッケル、負極に水素吸蔵合金が用いられた電池です。充電の際は、負極から脱離した水素が正極に吸蔵され、反対に放電の際は吸蔵された水素原子が正極から脱離。その後、正極へと再び吸蔵される仕組みとなっています。

ナトリウム硫黄電池

正極にナトリウム酸化物、負極にハードカーボンと呼ばれる炭素材料、電解液に有機溶媒などが使われ、ナトリウムイオンが正極と負極の間を行き来することで充電と放電を行う電池です。

負荷タイプ別

全負荷タイプ

停電時にすべての部屋で電力を使うことができます。

特定負荷タイプ

停電時にあらかじめ指定した特定エリアのみ電気を使うことができます。

蓄電池のメリット

続いて、住宅用蓄電池を設置することで得られるメリットを見ていきましょう。

電気代が節約できる

昨今の燃料価格高騰に伴い、電気代の値上がりも社会問題になっていますが、蓄電池があれば電気代を抑えることができます。

災害時・停電時に備える

最近では災害によって、大規模な停電が起こることもしばしば…。そうした状況でも、蓄電池を備えていれば安心して過ごすことができます。また太陽光発電と組み合わせれば、自給自足も不可能ではありません。

太陽光発電と連携できる

住宅用蓄電池は、太陽光発電と連携することでさらに活躍。昼間に蓄電した電力を夜間に使用することができるなど、活用方法が広がります。また、大容量バッテリーを搭載した蓄電池を導入すると、電気会社から購入する電気を減らすことが可能です。

蓄電池のデメリット

メリットの多い住宅用蓄電池ですが、デメリットも忘れずチェックしておく必要があります。導入後に後悔しないためにも必ず確認しておきましょう。

初期費用がかかる

本体の購入費用だけでなく、設置工事費用や電気工事の費用なども考慮する必要があります。

効率的に蓄電池を活用できない恐れがある

蓄電池は貯めておける電気の最大量が決まっています。用途に合った蓄電池を設置できないと、効率的に蓄電池を運用できない恐れがあります。電気使用量に容量が足りず、頻繁に充電が必要になる場合や、深夜電力を有効活用できずに想定より電気代が安くならないケースなどです。

蓄電池の設置スペースが必要になる

蓄電池は小型化が進んでいるものの、依然として一定のサイズがあります。屋内用の場合、稼働音が気になる可能性があるため、生活に支障をきたさないような設置場所を慎重に選ぶことが大切です。

一方、野外用の蓄電池では、十分なスペースのほかに「直射日光を避ける」「高温多湿な環境を避ける」などの条件が求められます。設置環境が適切でないと機器の動作が停止したり、寿命が短くなる恐れがあります。

蓄電池システムの種類

太陽光パネルで発電した“直流電力”は、家庭では使用できないため “交流電力”に変換しなければなりません。その際に使用するのが「パワーコンディショナ」という装置。直流電力を家庭でも使える交流電力に変換してくれる装置です。

このパワーコンディショナは、充電方式に応じて使用する台数やタイプが異なるため、ご自身に最も適当なものを選ぶ必要があります。本章では、蓄電池システムの種類と選び方について詳しく解説します。

単機能型

蓄電池と蓄電池用のパワーコンディショナで構成されているベーシックな充電方式です。太陽光発電で発電した電力を貯めるためには、パワーコンディショナを2台設置する必要があるため、充電する際に変換のロスが発生します。すでに太陽光発電を導入している家庭におすすめです。

ハイブリッド型

蓄電池と太陽光発電用のパワーコンディショナが一体となっているハイブリッドタイプ。パワーコンディショナが1 台で済むので、スペースを取らず電力の変換ロスも少なくできます。新しく太陽光発電の導入を考えている家庭におすすめです。

すでに太陽光発電を導入されている家庭でハイブリット型を導入する場合は、パワーコンディショナを取り換える必要があります。

トライブリッド型

太陽光発電と蓄電池、そして電気自動車用(EV)のパワーコンディショナの3つが一体化した多機能型タイプ。単機能型やハイブリット型に比べると、やや費用がかかる傾向にあります。新しく太陽光発電と電気自動車(EV)の導入を検討されている家庭におすすめです。

蓄電池を選ぶ際に確認しておきたいポイント

次に、蓄電池を選ぶ際にチェックしておきたい項目を4つ紹介。蓄電池は決して安くない買い物なので、後悔しないためにも事前にポイントを抑えておきましょう。

1.蓄電できる容量

重視したいポイントの一つに容量が挙げられます。容量の大きい方が長時間使用できますが、購入費用は上がる傾向にあります。一方、大容量になると1kwhあたりの単価は下がる点にも注目です。容量はコストパフォーマンスに直結すると覚えてきましょう。

2.耐久年数

蓄電池の寿命はサイクル数(充電する回数)によって決まります。目安となっているサイクル数をこえると、貯めておける電力量は徐々に減っていくのが一般的です。リチウムイオン電池の平均サイクル数は、6,000~12,000回となっており、寿命は約15年~20年と言われています。

3.サイズ

蓄電池の設置スペースを確保するために、あらかじめサイズを確認することが重要です。事前の調査時にしっかりと採寸してもらいましょう。

4.保証内容

蓄電池にはメーカー保証がついています。一般的には10~15年の保証が多いようです。ただし、保証内容は販売会社によって異なるため、しっかりとチェックしておきましょう。

蓄電池の補助金制度について

最後に確認しておきたいのが、蓄電池の補助金制度。各制度の存在を把握しているか否かで大きな差が出る可能性もあるため、必ず事前に調べておいてください。

また補助金制度には国からの補助金や自治体が実施している補助金など様々な種類があるため、ご自身が該当する制度を前もって把握しておきましょう。

国からの補助金

子育てエコホーム支援事業

国土交通省から交付される補助金。エネルギー価格高騰の影響を受けやすい若者夫婦・子育て世帯が、省エネ住宅(長期優良住宅・ZEH住宅)を有する際に、国から補助金が交付される制度です。

補助の対象は、省エネ住宅の購入から断熱工事、蓄電池の設置などのリフォーム工事と多岐に渡り、蓄電池の台数かかわらず64,000円/ 戸(2024年度)が補助されます。

戸建ZEH補助事業

経済産業省および環境省から交付される補助金。新築戸建てをZEH性能で建築し、さらに蓄電池を導入した場合、2万円/kwh(補助率1/3又は20万のいずれか低い額を加算)が補助されます。

一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)が実施している補助金

DR補助金(Demand Response)

家庭や企業が発電する電力を利用して、電気の需要と供給のバランスを調整することを目的とし、災害などを理由に電力需給がひっ迫した際など、遠隔操作によって家庭や企業が発電した電力を放電し、発電所以外からも電気を供給できる状態にするものです。

補助金の上限は60万円/戸(2024年度)となっており、自家設置で3.7万円/kwhが補助されます。この制度は、SIIに登録された蓄電池のみ対象となるため注意しましょう。

DER補助金(Distributed Energy Resources)

DER実証実験(1年のうち定められた期間において、実証者が遠隔操作にて家庭や企業に設置している蓄電システムの電気調整を行う)に参加することで補助金を取得することができます。1年のうち、1週間程度の実証実験が3年にわたって行われるケースが一般的で、実証実験中は蓄電システムの設定変更が禁止され、発電システム24時間インターネットに接続することが求められます。

しかし、設置者が特別な操作や対応を行うことはないため、設置者にとって大きな負担にはならないと言われています。補助金の上限は60万円/戸(補助率1/3まで)となっており、自家設置で3.2万円/kwh、若しくは2.7万円/ kwhが補助されます。

補助金を取得するには、SIIに指定されている設備と事業所、若しくは施工業者を選ぶ必要があります。

自治体の補助金

その他にも、都道府県や市町村で補助金を設定している場合があります。国の補助金と併用できるケースもあるため、事前に住んでいるエリアの自治体に蓄電池の補助金があるか確認しておきましょう。ただし、地域や種類によって申し込み方法や募集時期、補助金額が異なるため注意が必要です。

暮らしの「電化」がすぐそこまで来ている!

いつ災害が起きてもおかしくない時代だからこそ、今後は「電気は自分で貯めて使う時代」へと変化していくでしょう。「住宅用蓄電池」はいざという時の備えとなるため、改めて停電・災害対策の一つとして考えておくことをおすすめします。

弊社では、太陽光発電と合わせて蓄電池も一緒にご提案しています。既にいくつかの実績もあり、その数は年々増加傾向にあります。太陽光発電と蓄電池の導入を検討されている場合は、アーレックス担当者へお問い合わせください。いざという時に家族を守れるように、一度蓄電池を検討してみませんか?