#04

2021.05.17

ファブリックで楽しむ
インテリア。

インテリアファブリックは、住まいに彩りを与える最適な小道具。カーテンやクッション、ソファの張地などインテリアの一部として気軽に取り入れる事ができます。今回はインテリアファブリックの活かし方をご紹介します。

ファブリックに関して長い歴史を持つヨーロッパのブランドからは、さすがのセンスのものが数多く発信されています。最近はデジタルプリントの技術が上がり、手描きの水彩画のような柄物や、レーザーカットなど、今までになかったような素材も出てきて、より選択の幅も増えました。
 
今回から素材の種類や特徴を数回に分けてご紹介します。そこからインテリアに取り入れるポイントを知っていただきたいと思います。
第1回目は、生地の主な素材と特徴です。

●素材と特徴
生地自体の素材としては「自然素材」の綿や麻、ポリエステルやアクリルなどの「化学繊維」、レーヨンのような「再生繊維」に大きく分かれます。
 
〈綿~Cotton~〉
肌触りが良く丈夫。染色性や発色性に富んでいますが、水分をよく吸い込む性質のため、洗濯で収縮してしまったり、毛羽立ったりします。また長時間日に当たると変色することもあるので注意が必要です。最近はカーテン生地としては少なくなり、直接肌に触れるベッドリネンなどによく使われます。
 
〈麻~Linen~〉
繊維に毛羽が少ないため、ざっくりとした風合い。通気性も良く綿より丈夫ですが、シワになりやすく洗濯で伸縮します。素材感の良さからカーテンに使われることもありますが、ベッドリネンによく活用されます。
 
〈アクリル~Acrylic〜〉
ウールに似た合成繊維で、柔らかく保湿性や耐光性に富んでいます。シワになりにくく、カビや虫食いは少ないのですが、毛羽立ちやすいのでカーテンのドレープ性が悪くなったり、静電気を帯びやすい欠点も。生地自体は燃えやすいですが、難燃加工した製品もあります。
 
〈レーヨン~Rayon~〉
木材パルプを原料として、薬品で溶かして再生するので再生繊維といいます。吸水性・放湿性が高く、光沢感やドレープ性にも富んでいるため、カーテンによく使われています。ただし摩擦に弱く、シワになりやすい・湿度の高い場所では伸縮を起こしやすいという欠点もありますので、洗濯はドライクリーニングが必要です。
また、張地として使用できるように混紡した生地もあります。
 
それぞれの特徴を活かして、使い分けをしてみてださい。新しい楽しみと新しい生活シーンがきっと見つかりますよ。


山崎 和美

建物というハードと壁紙や家具、ファブリックといったソフト。居心地の良い住まい創りをするにはどちらも欠かせない大切な要素です。このコラムではソフトに目を向け、より良いライフスタイル・空間創りをするコツをインテリアコーディネーターの目線でお伝えします。
○プロフィール
店舗・病院・住宅や集合住宅など多方面にわたってインテリアをコーディネート。その経験を活かし、洗練されたデザインと居心地の良い空間を提案している。